真夏の波乗りブログ

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サザンオールスターズデビュー40周年企画アルバムレビュー 15th「葡萄」編

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サザンオールスターズ10年ぶりのオリジナルアルバム「葡萄」

1.アロエ

2.青春番外地

3.はっぴいえんど

4.Missing Persons

5.ピースとハイライト

6.イヤな事だらけの世の中で

7.天井桟敷の怪人

8.彼氏になりたくて

9.東京VICTORY

10.ワイングラスに消えた恋

11.栄光の男

12.平和の鐘が鳴る

13.天国オン・ザ・ビーチ

14.道

15.バラ色の人生

16.蛍

 

2005年に発売された前作「キラーストリート」から約10年ぶりに完成された今作。2005年以降サザンの活動はあまり充実してるとは言い難い形になっていた。

 

キラーストリート以降、無期限活動休止に至るまでシングルが1枚しかリリースされないという中途半端な活動に桑田さんも困惑していた。自分はこう思った。「キラーストリートで全て今のサザンを出し尽くした桑田さんは次のサザンのビジョンが見えずにそのまま突き進んでしまった」のだと。実際に2006年はシングル1枚と桑田さんが主催してアミューズの身内を集めてのフェスのみの活動にとどまった。

 

そして、桑田さんはバンドというところから一旦離れて2007年は5年ぶりのソロ活動に勤しんだ。ソロ活動になった途端、桑田さんもサザンという巨大なブランドの重みがなくなったアクティブな活動を展開する。5月には「明日晴れるかな」がロングヒットし、8月には「風の詩を聴かせて」をリリースし20万枚のヒット、12月には「ダーリン」を発売し2007年だけで3枚のシングルを世に送り出した。さらには全国ツアーも開催し最高なソロ20周年の活動になった。これ見ると2006年のサザンとの活動が歴然の差になった。

 

2006年もソロ活動していれば2008年の無期限活動休止には最悪ならずに済んだのかなと正直この時の活動を見て思った。(リアルタイムでは見てないです)

 

そして2008年になってもサザンの活動再開のアナウンスもされずに、5月になりついに活動の中身が解禁された。その内容は「2009年以降サザンオールスターズの活動は無期限活動休止になります」との予想もしない告知だった。そして2008年はシングル「I AM YOUR SINGER」をリリースし8月には日産スタジアムで4DAYSライブを執行しサザンの活一旦幕を降ろした。

 

波乗りが思うにファンが求めるサザンに桑田さんも応えるのが限界だったと思う。

ファンは多分そこまで大きなことは求めてないと思うんだけど、そこのギャップだと思う。

 

そして、2013年の沈黙を経て5年ぶりにサザンオールスターズが復活した。復活した要因として一番大きいのは、桑田さんが2010年に食堂がんになったことだ。その後の桑田さんは以前の人生観とは違う感じになった。「いつ自分がまたがんが再発するかわからないから今やれることをやろう」という気持ちになった。そこがサザンが復活した大きな理由だ。

 

そして復活以降、54枚目のシングル「ピースとハイライト」をリリースし、5年ぶりの全国野外ツアーを決行し35周年の活動にふさわしい一年になった。2014年は「葡萄」のレコーディングに専念するためにシングル「東京VICTORY」と年越しライブの活動にとどまった。

 

 

そして、2015年に10年ぶりのオリジナルアルバム「葡萄」をリリースする。サザンのアルバムは1枚1枚が重みがあって意味があるのだが、今作はさらに重みが増していた。その重みはというのは桑田さんが食堂がんを経て変わった人生観が1曲1曲に詰まっている。1曲目の「アロエ」の歌詞にもあるように「勝負にいこう!」という部分もこれからどうなるかわからない人生に対して「今しかないんだから勝負しようぜ!」という桑田さんからの渾身のメッセージソングになっている。3曲目の「はっぴいえんど」では「ボクよりも長く生きるキミよ」といかにも妻である原由子に語りかけているような歌詞になっている。

 

このアルバムの全体のバランス的には過去最高だと思う。最初の「アロエ」で昇天し、最後の「蛍」で締める感じというのが最高すぎる。そして「東京VICTORY」にしても「栄光の男」にしても現代を生きる国民への応援歌が日に日に多くなっている気がする。これはソロの「MUSICMAN」と「がらくた」からも言えることでもある。昔のサザンは恋愛ソングが多かったのだが、ここ最近のサザンは世の中の対しての提言や賛歌が多くなっている。それを桑田さんの独特の歌声で丁寧に一言一言を上質に歌いあげるスタイルに今のサザンは変化しつつある。これからもそのスタイルが形になっていくだろう。

 

いま現在のサザンは桑田さんがサザンというブランド力に引っ張られることなくソロと同じ感覚でできてる。自身ががんを経験したことにより「サザンのブランドがどうとか言ってる場合じゃないな」と思ったのだろう。それが今の桑田佳祐のサザンをやる覚悟と決意だと思う。

 

今サザンはデビュー40周年の2018年を迎えている。「葡萄」に続く16枚目のオリジナルアルバムがどんなアルバムになるのか、45周年50周年と続くサザンの伝説を今後も見届けていきたい。

 

最後に、今日ちびまる子ちゃんの作者のさくらももこさんが8月15日にお亡くなりになられたというニュースが流れてきました。さくらももこさんは2012年に桑田さんに手紙を送ってくださり、あの「100万年の幸せ」が生まれました。あの手紙がなければ「100万年の幸せ」もなかったので本当嬉しかったです。ちびまる子ちゃんの良さも後世に伝えていけるようにしたいです。さくらももこ先生心からご冥福をお祈り申し上げます。